理事長所信

2018年度スローガン


公益社団法人 長門青年会議所
第55代 理事長
植中 篤史

 

はじめに
 本州の最西北端、山口県の西北部に位置する長門市は、旧長門市・大津郡三隅町・日置町・油谷町となり、その1市3町が平成17年3月22日に合併し、現在の長門市としてスタート致しました。スタート当初の長門市の人口は約41,000人、そして10年後の平成27年には約35,000人と約6,000人、スタート当初から約15%も人口が減少している状況でございます。このような状況の中だからこそ、わたしたち青年会議所が率先して行動することで地域を盛り上げ、そしてわたしたちの「まち」に恩返しするために何が出来るのかを念頭に置いて行動するべきだと考えます。
 われわれ長門青年会議所は1964年に発足し、以後篤き志を持った青年たちが集い歴史を重ねて2018年度には55年目を迎えようとしております。それも偏に諸先輩方が「英知」と「勇気」と「情熱」を持って「明るい豊かな社会」に向けて全力で取り組んできていただいた結果だと考えます。これからも諸先輩方が築きあげてこられた歴史と伝統を受け継ぎながら、わたしたちの「まち」の未来をつなぐ架け橋となれるように精進していく所存でございます。

 

まちづくりについて
 現在長門市は、人口減少によって存続が困難になると予測されている自治体、消滅可能性都市の1つに挙げられています。その背景には、若者の流出による少子高齢化が大きな要因であると考えられます。進学等で若者が上京し、ふるさと回帰する傾向が弱いことから地方が衰退していく現状があります。これは長門市だけに限らず全国の自治体が抱える深刻な問題の一つであります。「東京一極集中」を打破するためにも地方を、わたしたちの住む長門市を、活性化していくことは目標ではなく絶対条件であり、結果を残していくことがわたしたちの使命であると痛感しております。
  現在の長門市には二十歳以下の方が約5,000人、長門市の全人口の約15%しかいません。その割合を増加させていくためにも、行政の方や他団体の方々と協働し市民の方々を巻き込んだ運動を展開していかなければならないと考えています。その上で市民の方々の郷土愛を醸成し、長門市を誇りに思う心を育成することで、日頃からお世話になっている、わたしたちの「まち」への恩返しになると考えます。

 

こどもたちのために
 未来を担う子供たちの成長は、我々の住むこの長門市にとって大きな財産であり希望だと考えます。そのため、我々は未来ある子供たちの成長の一助となれるように、考え行動していかなければなりません。近年ではインターネットや携帯電話等の普及に伴い世の中は情報(知識)のボーダレス化・グローバル化の時代と言われ、様々な情報が瞬時にして得られる便利な社会になりました。しかしその反面、こういった社会環境から情報の氾濫やコミュニケーション能力の低下、自尊感情の低下や、体力・運動能力の低下等の様々な問題が子供たちの成長に大きく影響を与えております。自分の中の殻に閉じこもり、人と人との交流を持とうとしない人間に成長は少ないと思います。今こそこの社会環境の負の部分を是正し、人と人とが触れ合える機会を提供することによって、地域コミュニティを深め、子供たちの自尊感情や運動能力等の向上を図ることが重要ではないでしょうか。
長門青年会議所では、わんぱく相撲・日韓親善交流事業・ひまわり会など青少年育成における事業を展開しております。この先輩方が築いて下さった事業の中で、子供たちは地域コミュニティとして、人と人とで交流を持つことで色々と学びを得ることが出来ます。そして「礼」を学びお互いを尊重する気持ちを補うことも出来ます。このような子供たちの成長する「道標」を我々が示し、「明るい豊かな社会」の実現に向けて事業に取り組んでいく所存です。

 

会員の拡大
 人口の減少・企業数の低下に比例し、われわれ青年会議所会員も減少の一途を辿っている事実は否めません。そのため個人の精神的、肉体的負担も多くなっていることが現状です。この負の現状を打破するためには、青年会議所の意義を多くの方に知っていただき賛同を得る必要があります。
 その為には「1人はみんなのために、みんなは1人のために」を合言葉に会員一丸となって1つ1つの事業に力を入れ、魅力ある事業を発信することが必要になってきます。外からみても魅力ある団体に、そして中にいる我々も改めて魅力を感じるような事業を展開することによって、同志を集い組織力の強化に更なる事業の拡大、そして今後の発展に繋がっていくと確信しています。

 

結びに
 『雪に耐えて梅花麗し』という言葉があります。 厳しい雪や寒さに耐え忍ぶからこそ、初春に美しい花を咲かせ、かぐわしい香りを発するという意味です。今の長門青年会議所はまさに今、雪に耐えている状況だと感じています。しかしこの厳しい状況を会員全員で耐えて乗り越える事ができれば、道はひらけると共に会員の成長・拡大にも期待できると考えています。そのためにも会員が今まで以上に結束しお互いの絆を深めあうことが重要です。そして全員で目の前の課題を1つずつ誠実に向き合い、解決していくことが未来につながると確信しています。1人ではなく皆(みな)で行動する。ともに縁(むすび)、ともに織りなすことで、試練を乗り越え素晴らしい布(みらい)を築いていきます。